ロケハンとは?ビジネスシーンでの使い方やイベント会場の下見のポイントも解説
「ロケハンって聞いたことはあるけど、具体的に何をすることなの?」
「イベント企画でロケハンが必要って言われたけど、どうやって進めればいいの?」
「ビジネスでロケハンという言葉を使っても大丈夫?」
そう思う方もいるかもしれません。
ロケハンとは「ロケーション・ハンティング」の略で、イベントや撮影前に会場を下見することです。
事前にしっかりとロケハンを行うことで、当日のトラブルを防ぎ、スムーズなイベント運営が可能になります。
この記事では、ロケハンの基本的な意味から、ビジネスシーンでの正しい使い方、実際のイベント会場での下見のポイントまで詳しく解説します。
会場探しから迷われている方は「イベント会場レンタルで失敗しない選び方」の記事もご覧ください。
目次
ロケハンとは?基本的な意味と語源を解説
「ロケハン」という言葉を聞いたことがあっても、なんとなくのイメージしか持っていない方も多いのではないでしょうか。
まずは、ロケハンの正確な意味と、この言葉が生まれた経緯について詳しく解説していきます。
ロケハンの定義と語源
ロケハンとは、和製英語「ロケーション・ハンティング」の略語で、イベントや撮影を行う前に実際の会場や場所を事前の下見を指します。
単なる見学ではなく、当日の運営をスムーズに進めるための詳細な調査と準備を含む重要な工程です。
「ロケーション」は場所や位置を意味し、「ハンティング」は探索や調査を表現しています。
つまり、理想的な場所を探し出し、その場所で成功するために必要な情報を収集する活動全体を指す言葉なのです。
ロケハンが撮影業界からビジネス全般へ広がった背景
もともとロケハンは、映画やテレビ業界で使われていた専門用語でした。
ドラマや映画の撮影現場では、シナリオに合った最適な撮影場所を見つけるために、制作スタッフが事前に候補地を訪問して詳細な調査を行っていました。
しかし近年では、企業のイベント企画や会議運営においても、事前の会場調査の重要性が認識されるようになりました。
その結果、ビジネスシーンでも「ロケハン」という言葉が自然に使われるようになり、現在では幅広い業界で一般的な用語として定着しています。
ロケハンのビジネスシーンでの使い方と言い換え表現
ロケハンは撮影・映画業界発祥の用語であるため、フォーマルなビジネスシーンでは伝わらない可能性もあります。
ここでは、ビジネスでロケハンを使う具体的なシーンと、TPOに応じた言い換え表現について解説します。
ビジネスでロケハンを使う適切なシーン
ビジネスシーンでロケハンが活用される代表的な場面は、企業イベントの企画段階です。
株主総会、新商品発表会、社員研修、懇親会などの会場選定時に「会場のロケハンを行います」という使い方が一般的です。
また、会議室やセミナー会場の選定、展示会ブースの設営前調査、撮影を伴うプロモーション活動の準備段階でも頻繁に使用されます。
特に、イベント制作会社や広告代理店、企業の広報・マーケティング部門では日常的に使われる業界用語となっています。
ただし、相手が業界外の方とのやり取りでは、より分かりやすい表現に言い換えることを推奨します。
ロケハンの言い換え表現と使い分け
ロケハンの代表的な言い換え表現には「会場下見」「現地調査」「事前視察」「会場見学」などがあります。
相手との関係性や文脈によって使い分けることが重要です。
社内の企画会議では「ロケハン」でも問題ありませんが、クライアントへの提案書には「会場の事前調査」と記載した方が伝わりやすい場合もあります。
イベント会場のロケハンで確認すべき5つのポイント
実際にイベント会場のロケハンを行う際には、当日のトラブルを防ぐために必要な確認ポイントがあります。
本章では、会場運営の経験から、特に重要度の高い確認項目を5つのカテゴリーに分けて解説します。
ポイントを押さえれば、当日のイベント運営が格段にスムーズになり、参加者にとって快適な環境を提供できるでしょう。
①会場の広さと設備の確認
イベント会場の物理的な条件は、企画をそもそも実現できるかどうかに関わる最重要なポイントです。
まず、会場の収容人数が参加予定者数に対して適切かを確認します。
ゆとりのある空間設計にするため、参加人数に対して適度な余裕をもった収容人数の会場を選ぶことが大切です。
会場が広すぎると盛り上がりに欠け、狭すぎると窮屈な印象を与えてしまうため、イベントの性質に応じたバランスの取れた広さを選択しましょう。
また、天井の高さや柱の位置も確認が必要です。
展示物がある場合は搬入経路の幅や高さ制限、エレベーターの利用可否を確認します。
他にも、電源の位置と容量、Wi-Fi環境の品質、空調設備の性能についても詳細に調査しましょう。
特に電源については、使用予定の機器の総消費電力を事前に計算し、ブレーカーの容量と照らし合わせて確認することが重要です。
②アクセスと駐車場の状況
会場までのアクセスは、参加者の参加率に直結します。
最寄り駅からの距離と所要時間、案内サインの有無、雨天時の対応策などの確認が必要です。
また、車での来場が予想される場合は、駐車場の台数と料金体系、予約の必要性についても事前に調査しましょう。
加えて、バリアフリー対応についても、車椅子でのアクセス可能性、多目的トイレの設置状況、エレベーターの有無などを詳細にチェックしましょう。
③音響・照明設備の詳細チェック
音響設備の性能は、プレゼンテーションやスピーチの質に影響します。
マイクの種類と本数、スピーカーの配置と音質、音響機器の操作方法について確認しておくと安心です。
また、会場の音響特性も重要で、反響や外部からの騒音の影響を実際に体験してみるのがおすすめです。
照明設備については、自然光の入り方と時間による変化、調光機能の有無、ステージ照明の種類と操作方法を確認しましょう。
他にも、プロジェクター使用時の明度調整や、写真撮影に適した照明条件についても検討が必要です。
④当日の動線と安全面の確認
参加者の動線設計は、イベント参加者の快適性と安全性を確保するために不可欠です。
入場から退場までの流れを実際に歩いて確認し、混雑が予想される箇所や待機場所の確保について検討します。
受付、クローク、休憩スペースの配置も、全体の動線を考慮して決定する必要があります。
安全面では、非常口の位置と誘導サイン、消火設備の場所、AEDの設置状況の確認が必要です。
避難経路は実際に歩き、車椅子利用者でも安全に避難できるかをチェックしましょう。
また、会場スタッフの緊急時対応体制や、医療機関への連絡方法についても事前に把握しておくと安心です。
⑤追加費用と制約事項の把握
ロケハンの際には、場所の確認だけでなく、会場利用の条件なども確認しましょう。
基本料金以外にかかる可能性のある費用を詳細に確認することで、予算オーバーを防げます。
具体的には、延長料金の発生条件と単価、清掃費、設備利用料、スタッフ派遣費用などの詳細を把握します。
また、キャンセル料の規定や変更手数料についても確認が必要です。
他にも、飲食物の持ち込み制限、装飾物の設置可能範囲、音量制限、禁止事項などを詳しく確認します。
近隣への配慮事項や、イベント内容による利用制限などは会場によって大きく前提条件が異なるため、企画内容を正確に伝えた上で相談することが大切です。
これらの情報は、イベント企画の最終調整や当日運営の準備に直接影響するため、漏れのないよう注意深く確認しましょう。
都内であらかじめ候補を絞っておきたい方は、以下の記事もご覧ください。
ロケハンを行う前にやっておきたいこと5選
効果的なロケハンを実施するためには、事前の準備も必要です。
計画性のないロケハンでは、重要なポイントを見落としたり、限られた時間を有効活用できない可能性があります。
ここでは、ロケハンの効果を最大限に引き出すために、事前に準備しておくべき5つの重要項目について詳しく解説します。
これらの準備を丁寧に行うことで、当日のロケハンがより充実した時間になり、最終的なイベント成功につながるでしょう。
①イベントのコンセプトや予算など基本事項を決める
ロケハンに向かう前に、イベントの目的とコンセプトを明確に定めることが最も重要です。
「なぜこのイベントを開催するのか」「参加者にどのような体験を提供したいのか」といった根本的な問いを立てることで、会場に求める条件が具体的に見えてきます。
イベントの企画段階では、予算設定も同時に行いましょう。
その際、会場費だけでなく、設備利用料、装飾費、ケータリング費用、スタッフ人件費なども含めた総予算を算出します。
また、参加予定人数の確定も重要です。
最少人数と最大収容人数の幅を設定し、それに応じた会場規模の目安を決めておけば、効率的な会場探しができるでしょう。
②利用したい会場の情報を調べる
ロケハン対象の会場について、事前にできる限りの情報収集を行います。
会場の公式ウェブサイトやパンフレットから、基本的な設備情報、利用料金、アクセス方法を把握したうえで、実際の会場を見ましょう。
当社の運営施設で会場下見に来られた方でも、「思っていたのと雰囲気が違った」「想像より広い(狭い)」みたいなお声もたびたび見られます。
施設の広さだけでなく、利用可能時間、設営・撤去時間の制限、備品レンタルの可否、駐車場の有無などの実用的な情報を把握しておくと、ロケハン当日により具体的な相談もできるでしょう。
③写真や間取り図などを確認する
会場の間取り図や写真は、ロケハン前の重要な判断材料となります。
間取り図から会場の形状、柱の位置、天井の高さ、出入口の数と位置を把握し、想定しているイベントレイアウトが実現可能かを事前に検討します。
特に、ステージ設置予定箇所からの見え方や、参加者の動線確保が可能かどうかを図面上で確認しておきましょう。
公式写真だけでなく、様々な角度から撮影された写真を収集することで、会場の雰囲気や特徴をより正確に把握できます。
照明の状態、内装の色調、窓の位置なども、イベントの演出効果に大きく影響するため、詳細に確認しておくことが大切です。
また、過去に同様のイベントが開催された際の写真があれば、実際のレイアウト例として参考になります。
これらの事前確認により、ロケハン当日は実際の使用感や細かな条件に集中して時間を使えるようになるでしょう。
④ロケハンの条件を調べる
ロケハン自体の実施条件について事前に確認しておくことで、当日をスムーズに進められます。
まず、ロケハンの予約が必要かどうか、実施可能な曜日や時間帯の制限があるかを確認しましょう。
イベントホールなどの場合、イベント当日や利用日はロケハン出来ないことが多いため、事前予約が必要なケースがほとんどです。
予約の際は、ロケハンに参加できる人数や、写真撮影の可否についても事前に把握しておくことが重要です。
また、測定器具の持ち込みが可能かどうか、会場スタッフの同行が必要かどうかなど、細かな条件も確認します。
特に、屋外広場などの場合、誰でも出入りできる場所でも、実測など作業が伴う場合は、安全管理上の観点で会場スタッフの立ち合いが必要な場合もあります。
また、ロケハンにかかる費用についても事前に確認が必要です。
無料の場合もあれば、設備説明や案内サービスに費用が発生する会場もあります。
当日持参すべき資料や質問事項をリストアップし、効率的なロケハンができるよう準備を整えておきましょう。
⑤イベント開催時間を検討する
イベントの開催時間帯は、会場の雰囲気や利用条件に大きく影響するため、ロケハン前に複数の候補を設定しておくことが重要です。
朝・昼・夕方・夜では、会場に入る自然光の量や照明効果が大きく変わるため、ロケハンの時に確認すべきポイントでもあります。
また、会場周辺の混雑状況や交通渋滞の傾向も、開催時間の決定に影響します。
ビジネス街では平日夜や休日の静けさ、繁華街では曜日による賑わいの違いなど、立地特性を理解した上で最適な時間帯を選択することが大切です。
複数の時間帯候補を用意しておくことで、会場費用や設備利用条件の違いも含めて総合的に判断できるでしょう。
ロケハンのメリット
ロケハンの実施は、イベント会場選びで失敗しないために非常に重要です。
事前の下見によって、当日のトラブルを未然に防ぎ、参加者にとって快適なイベント環境を提供できるようになります。
ここでは、ロケハンを行うことで得られる2つの主要なメリットについて、具体的な効果とその理由を解説します。
イメージ通りのイベントができる場所が見つかる
ロケハンの最大のメリットは、企画段階で描いていたイベントのイメージを実現できる会場かどうかを事前に確認できることです。
写真や間取り図だけでは分からない会場の雰囲気、天井の高さ、自然光の入り方、音響の響き方などを実際に体験することで、イベントコンセプトとの適合性を正確に判断できます。
例えば、アットホームな懇親会を企画していたにも関わらず、実際の会場が想像以上に格式高い雰囲気だった場合、参加者が緊張してしまい企画意図とは異なる結果になってしまいます。
ロケハンを行うことで、こうしたミスマッチを事前に発見し、会場変更や企画内容の調整を行えるのです。
また、会場の特徴を活かした演出アイデアを現地で思いつくことも多く、より魅力的なイベント企画につながります。
必要な設備・不要な設備を明確にできる
ロケハンによって会場の既存設備を詳細に把握することで、追加で手配すべき設備と不要な設備を明確に区別できます。
これにより、無駄な費用を削減し、予算を効率的に配分が可能になります。
音響設備、照明機器、プロジェクター、マイクなど、会場に備わっている設備の性能と数量を確認すれば、最適な機材プランを立てられるでしょう。
また、電源の位置や容量、Wi-Fi環境の品質なども事前に確認できるため、当日の設営作業をスムーズに進められます。
搬入経路の確認も重要で、大型の展示物や機材がある場合、搬入可能かどうかを事前に把握しておくことで、当日のトラブルを防げます。
さらに、会場スタッフのサポート体制についても確認でき、自社で準備すべき人員と会場側に依頼できる作業の切り分けが明確になります。
ロケハンで十分な会場情報を得られれば、効率的なイベントの実施につながります。
ロケハンでイベント成功への第一歩を踏み出そう
ロケハンは、事前の情報収集から当日の詳細確認まで丁寧に実施すれば、イベントを成功に大きく一歩前進できます。
特に、イベント企画に慣れていない方にとって、ロケハンは貴重な学びの場でもあり、実践的な知識を身につける絶好のチャンスにもなり得ます。
安全安心なイベントの実現、そしてイメージ通りのイベントを実現するためにも、会場ロケハンは必ず実施するのをおすすめします。
「どの会場が自分たちのイベントに最適なのか分からない」「ロケハンで確認すべきポイントを見落としているかもしれない」といった不安をお持ちの方は、ぜひ会場選びのプロにご相談ください。
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