バミリとは?舞台・撮影現場で使う理由と正しい作り方まで解説
イベントの準備で「バミリを用意して」と言われたけれど、
「バミリって何?」
「どうやって準備すればいいの?」
「初めてのイベント運営で不安…」
そんな疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
バミリは床に貼るテープやマークのことで、会場設営には欠かせない道具です。
バミリを使えば、イベントの準備や本番の進行がスムーズになり、初めてでも安心して会場設営を進められます。
この記事では、バミリの基本知識から実際の活用方法まで、初めて担当する方にもわかりやすく解説します。
目次
バミリとは?
バミリは会場の床に貼るテープやマークで、出演者の立ち位置や機材の設置場所を示す目印として使われます。
テープを使って床に位置を示すという、シンプルながら効果的な方法です。
企業のイベントやセミナーでは、プレゼンターが立つ位置、機材の設置場所、受付の配置など、様々な場面でバミリが活用されています。
また、社内発表会でプロジェクターとスクリーンの位置関係を正確に保ちたい場合や、登壇者が最適な立ち位置で話せるようにする際に使用します。
特に、リハーサルと本番で同じ配置を再現する必要がある場合に重宝するでしょう。
イベント運営におけるバミリの3つのメリット
「バミリがなくても大丈夫では?」と考える方もいるでしょう。
しかし、イベント運営において、バミリの活用は様々なメリットをもたらします。
ここでは主な3つのメリットについて解説します。
①準備時間の短縮ができる
会場設営では、機材や備品の置き場所を事前に決めると、当日はスムーズに設置作業が進みます。
そのためバミリを使うと、場面転換などの準備時間が限られている場面でも、無駄な時間を省けるのが大きな特徴です。
また、設営の手順が明確なため、スタッフ全員が同じ認識を持って作業に取り組めます。
②確実な本番進行ができる
バミリは、リハーサルで決めた最適な位置を本番でも正確に再現します。
照明や音響、プロジェクターなどの機材も、バミリがあれば正確な配置が可能です。
さらに、登壇者の立ち位置も明確に示されるので、発表者は安心して本番に臨めます。
進行スタッフが誘導、指示出しをするのにも役立ちます。
③スタッフ間での情報共有がスムーズになる
バミリは「ここに設置」「この位置に立つ」といった口頭説明を補い、位置を目で見て確認できる印となります。
そのため、関係するスタッフが誰でも迷わず作業に取り組めます。
特に当日スタッフが多い時や外部スタッフと協力する際には、このように目で見てわかる印があると作業がグッと進みやすくなるでしょう。
企業イベントでの具体的な活用シーン
企業イベントでは、様々な場面でバミリが威力を発揮します。
新商品発表会なら登壇者の立ち位置、商品展示の配置、カメラマンの定位置などを示すのに最適でしょう。
会社説明会においては、受付デスクの位置、企業ブースの配置、来場者の導線管理にもバミリの出番があります。
社内研修やセミナーでも、机や椅子の配置を整えるのにバミリは欠かせません。
特にグループワークなどで机のレイアウトを途中で変更する際は、床に貼られたバミリを目印にすれば、会場の模様替えもスムーズに進められます。
安全管理でもバミリは役立つ
イベント運営で最も重要なのは、参加者の安全確保です。
バミリは非常口や避難経路を明確に示し、電源ケーブルや機材の配線の他、大きな機材や空箱の置き場まで、避難経路の範囲にモノを置かないように明確な区分分けができます。
また、入退場時の人の流れにも配慮が必要です。
バミリは受付から会場内、休憩スペースまでの動線を事前に示し、混雑のない円滑な誘導を可能にします。
特に大規模なイベントでは、このような動線計画がイベントの成否を左右するでしょう。
バミリの正しい作り方とポイント
イベントを成功に導くためには、バミリを正しく、効率的に作成することが重要です。
ここでは、初めての方でも実践できる具体的な作り方とポイントを解説します。
必要な道具
バミリの作成に必要な道具は、シンプルです。
基本となるのは養生テープやマスキングテープですが、床を傷つけず、簡単に剥がせるものを選びましょう。
養生テープは会場の床材に合わせて白や青、緑など、見やすい色を選ぶのがおすすめです。
他には、メジャー(巻尺)、油性ペン、はさみが必要となります。
広い会場ではレーザー距離計も役立つでしょう。床に直接書けない場合は、小さな付箋やシールも用意しておくと安心です。
基本的な間隔と配置の考え方
バミリの配置はイベントの内容や会場の広さで異なりますが、基準があります。
ステージや演台では、中央(センター)を0として、左右に90cm間隔で1、2、3と番号を振っていきましょう。
この90cmという間隔は、日本の伝統的な寸法「1間」の半分に由来する標準的な長さで、舞台業界で主に使用されてきたことに由来します。
また、プロジェクターとスクリーンの配置には細かな注意が必要です。
スクリーンに対して正面から投影するのが基本で、斜めからの投影は映像が歪む原因となります。
投影距離は機種によって大きく異なり、100インチスクリーンの場合、一般的なプロジェクターで2.5〜3m、短焦点タイプなら1.5m程度必要です。
現場で使える簡単な作成手順
まず舞台中央を0点として、左右に90cm間隔で1、2、3と番号を振っていきます。
基準となる十字の線を引いたら、用途に応じて適切な形状のバミリを配置していきましょう。
機材や四角い物の配置にはL字型、人の立ち位置にはT字型、一般的な目印にはバッテン(×)型を使います。
形状によって用途が一目で分かり、設営作業がスムーズになります。
また、バミリを貼る位置も重要で、例えば舞台セットは後ろ側に、人の立ち位置はつま先の位置に貼ります。
客席から見える場所への貼付は避け、暗転時に位置確認が必要な箇所には視認性の高いグリーンの蓄光テープを使用します。
加えて、複数の用途を区別する場合は色分けも効果的です。
ただし、ブルーテープは見切れる場所や目立たせたくない場所に適しているなど、色の選択には意味があります。
客席からの見え方を考慮して、適切な色を選びましょう。
バミリのよくあるトラブルと解決方法
イベント運営では、どんなに周到に準備をしていても予期せぬトラブルが発生することがあります。
バミリに関連するトラブルとその対処法を知っておくことで、万が一の事態にも冷静に対応できます。
剥がれ・ズレ・跡残り
バミリをする際、テープ選びは最も注意が必要な点です。
床材との相性が悪いと、すぐに剥がれたり、逆に強すぎて跡が残ったりします。
木床なら養生テープ、タイルカーペットならマスキングテープが適していることが多いです。
汚破損の原因にもなるため、あらかじめ会場担当者に使用可能なテープの種類を聞いておくのも重要でしょう。
また、測定の際のずれも要注意です。
特に広い会場では、最初の基準線が1度でもずれると、端では大きな誤差になってしまいます。
レーザー距離計や長尺メジャーを使い、必ず複数人で数値を確認すると安心です。
種類が多すぎて混乱する
バミリは演者の立ち位置や、機材の設置位置など、様々な用途で使用します。
場面転換が多いなど、状況によってバミリの種類が増えすぎてしまう可能性があります。
同じ形や色で作ってしまうと、見間違えたり、識別しにくかったりと、トラブルの原因になりがちです。
用途ごとに色や形を変えると、初見の人でも間違えにくくなるでしょう。
可能であれば、バミリの横にだれの立ち位置なのかなど、補足情報を記載しておけると親切です。
舞台監督を中心に全体の安全管理と進行管理を行い、出演者やスタッフへ事前に説明しておくと、なお安心です。
バミリが見えない
照明が暗かったり、床の色と似ていてバミリが見にくい状況になるケースもあります。
また、スモークや照明の反射によっても視認性が低下するなど、様々な要因で見えない現象が起こり得ます。
対策としては、暗い場所では蓄光テープの使用がおすすめです。
また、床の色が黒なら白色や明るい色のテープを使うなど、コントラストを意識して貼るのも良いでしょう。
観客から見えないことも大切ですが、安全管理上は演者や関係者からもしっかりと視認できないと本来の意味をなさないため、工夫が必要でしょう。
バミリの基本を押さえて、スムーズに準備を進めましょう
バミリは舞台づくりでは必須となる、基本知識です。
舞台の世界に限らず、様々なイベントで活用されています。
バミリの知識をしっかり身につけて準備を整えておくと、会場設営がとてもスムーズに進みます。
また、正確な位置決めがあってこそ、本番でのスムーズな進行が実現可能です。
初めてイベントを担当する方も、基本さえ押さえておけば、安心して準備に取り組めるでしょう。
弊社が運営するイベント会場では、舞台技術専門の自社チームや会場設営の協力会社と連携し、スムーズな会場づくりをサポートしています。
会場設営でお困りのことがあれば、ぜひ「会場探しコーディネーター」へご相談ください。

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“劇場・ホールに関することはなんでもやっている”、トータル・シアタープロデュースカンパニー。40年にわたり構想・計画づくり、設計・施工にも携わる劇場づくりのノウハウをもとに、劇場・ホール・イベントスペース運営の専門家集団として、全国20以上の施設管理を支援。年間1,000件以上のイベントを会場管理者の立場からサポート。企業の新商品発表会、展示会、コンサート、セミナー、企業研修など、幅広い用途に対応する会場選定の実績を持つ。
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