感動を生むライブ演出10選!最新技術で魅せる成功事例
「炎の演出を取り入れたいけど、会場の規制が厳しくて断念した」
「プロジェクションマッピングを考えていたのに、壁面が使えなかった」――。思い描いた演出が、会場の制約で実現できなかった経験はありませんか?
魅力的なライブ演出を成功させる最大のポイントは、企画段階での適切な会場選びにあります。
本記事では、特殊効果から最新テクノロジーまで、様々な演出プランに必要な会場条件を詳しく解説します。
演出の専門家ではない企画担当者の方でも、理想の演出を実現できる会場選びのポイントがわかります。
目次
ライブ演出で失敗しない会場の選び方3つのポイント
近年、企業イベントやライブパフォーマンスにおいて、演出の重要性が高まっています。
SNSの普及により、イベントの様子は瞬時に拡散されるようになり、その演出の質も企業イメージを大きく左右する時代となりました。
しかし、どれだけ素晴らしい演出プランを立てても、会場の制約によってその実現が困難になるケースが少なくありません。
演出効果を最大化するには、まず会場選びから慎重に検討を始める必要があります。
①安全性の確保
特殊効果の使用や、大型機材を使用する演出では、消防法や建築基準法などの法的要件や、会場ごとに指定される条件を満たす必要があります。
なぜなら、特殊効果や大型機材の使用は、火災や事故のリスクを伴うからです。
そのため火気や煙の使用や、避難動線の確保について、厳しく制約がかけられています。
例えば、炎を使用する演出では、火点から客席最前列までの距離を4mまたは6m以上空ける必要があったり(条件によって異なります)、大型のスクリーンやプロジェクターを天井から吊り下げるような場合、直下に客席は設けてはいけなかったりと、安全に最大限配慮したレイアウトや施工計画を立てる必要があります。
そのため、特殊効果や、大型機材を使用する演出を計画する際は、必ず会場や消防署などとの協議が必要です。
②技術的な実現可能性の担保
使用する演出機材に応じて、電源容量や天井高、その他の設備など、会場の物理的な条件が演出の実現可能性を左右します。
演出機材の多くは、標準的な会場の既存電源だけでは対応できない大容量の電源を必要とするケースがあります。
また、照明や映像機器は設置位置と投影・照射距離が効果に影響するため、適切な天井高や空間的な余裕が不可欠です。
条件を満たしていない場合、追加の工事や代替案の検討が必要になるため、予算が膨らむ可能性もあります。
具体的には、複数台の業務用プロジェクターを使用する場合は、通常の15Aのコンセントでは容量が足りないため、追加工事が必要です。
また、劇場やイベントホールなどでのムービングライトによる演出は天井高が6m以上あるのが望ましいとされています。
したがって、会場選びの段階で、使用予定の機材に必要な電源容量が確保できるかどうかや、天井高の要件など、演出効果を最大限に発揮するには会場の条件は重要です。
③コストの最適化
会場の基本設備が整っていない場合、想定外の追加コストが発生する場合があります。
多くのライブ演出機材は、特殊な電源設備や取付用の設備が必要です。
電源容量が足りていなかったり、吊りもの用のバトンなどが用意されていない会場の場合、仮設工事や追加のレンタルが必要になるでしょう。
例えば、天井にバトンが無い会場の場合は、仮設トラスの設置が必要になり、部材費や設営撤去の人件費で数十万円追加になるケースもあります。
予算内で最大限の演出効果を実現するためには、企画段階で会場下見を詳細に行い、追加コストの発生を最小限に抑える会場選びが必要です。
特殊効果における3つの演出と会場条件
特殊効果による演出は、観客の記憶に強く残るインパクトを与える力があります。
しかし、インパクトがある分、危険性を帯びている演出も多く、消防法などによる制約条件が厳しいのも事実です。
ここでは、代表的な特殊効果と、その実現に必要な会場要件を解説します。
①炎・火花演出
炎や火花を使った演出は、非常にインパクトの大きな演出ですが、最も厳しい安全基準を求められます。
具体的には、屋内での火気使用となる場合、詳細な仕様書や使用スケジュールなどを用意した上で、消防署への届け出が必須となります。
会場内のスプリンクラーや消火器などの消防設備が基準を満たしていることを前提として、非常口までの避難経路の確保や、ステージから客席までの距離が適切かどうかなどが求められます。
燃料の種類や量、演出装置の規格、安全措置をどのようにとるかなど、安全管理の部分を明確に示す必要があります。
事前の協議や届け出の他、設営日や本番日当日に消防署による査察が入る場合もあるため、適切な対応が必要です。
②水・霧・泡演出
水や霧、泡を使用する演出は、幻想的な演出ができる一方で、会場設備の保護や安全管理が必要です。
大量の水を使ったウォーターウォールなどの演出であれば、演出に必要な水量を安定的に供給できる給水設備や、その水を安全に排水できる設備が会場にあるかが条件になるでしょう。
さらに、会場内は多くの電源を使用しているため、感電事故防止のための防水対策についても必須となります。
また、シャボン玉などの泡を使った演出の場合、客席に落ちた後に滑らないような液体であることや、液体によって会場設備の変色や劣化などの影響を与えないような養生が必要になります。
会場要件としては、給排水の環境の他に壁や床などの耐水性などの確認が必要です。
観客の安全性はもちろん、会場設備の汚破損が無いように十分に配慮し、次の催事に影響が出ないように原状復帰できるような体制をとることが求められます。
③スモーク演出
スモークやフォグを使用した演出は、照明効果を高めるために取り入れるケースが多いです。
スモークには水溶性と油性のものに分かれており、油性タイプのスモークの場合は危険物の扱いとなるため必ず消防へ「危険物使用禁止行為の解除」の申請が必要になります。
この申請許可が下りないと、油性スモークは使用できません。
また、スモークは会場の煙探知機で検知されるため、そのまま使用してしまうと火災検知される可能性が高いです。
使用の際は、事前に消防署や会場の防災設備の担当者との協議が必須になります。
【演出別】基本演出に必要な会場スペック
ライブやイベントの成功は、照明、音響、映像といった基本演出の質で決まると言っても過言ではありません。
しかし、同じ演出プランでも、会場の仕様によって最大限の効果を実現できるかどうかは大きく異なります。
ここでは、照明・音響・映像の各演出において、具体的にどのような会場スペックが必要なのか、現場での実例を交えながら解説します。
会場選びの段階で押さえておくべき重要なポイントを、演出の種類別にご紹介していきます。
照明
照明演出は、ライブやイベントの雰囲気作りに欠かせない基本要素です。
効果的な照明演出を実現するためには、会場の天井高や照明を吊るためのバトンの仕様・耐荷重などの確認が重要です。
例えば、ムービングライトは1台当たり20~30kgあるため、バトンの耐荷重だけでなく、荷重バランスを検討する必要があります。
また、電源容量の確認も必要です。
イベントホールの多くは、照明用の電源を専用に設けているため、その中で使用可能な容量や振り分けを検討しましょう。
加えて、オペレーション場所となる調整室や、会場内に照明演出の制御に使用するDMX回線や調光設備の有無なども、設営撤去をスムーズにできるかや、追加機材の持ち込みに関わるため、確認しておくのが大切です。
他にも、窓がある会場の場合は遮光性能も見落とせないポイントになります。
ブラインドなのか、黒幕なのかでも大きく変わってくるため、実際に会場をみて光の入り具合は確認したほうが良いでしょう。
音響
音響演出の品質は会場の建築構造や設備環境によって大きく左右されるため、会場選びの段階で音響特性の詳細な確認が不可欠です。
会場の音響性能は、天井や壁の素材、形状、設備の状態など様々な要素が関係しています。
特に反響・残響時間は演出によって適正値が変わるため、会場の環境に大きく影響します。
また、会場周辺環境によっては音量や振動の制限を大きく受けるため、期待する演出効果を発揮できない場合もあるため、注意が必要です。
例えば、都市部の会場では複合施設の中に併設されている施設も多く、音漏れによって近隣施設から苦情が入る可能性も否定できません。
さらに、深夜の音出しにも制限がかかる場合があるため、リハーサルなどの全体のスケジュールにも影響します。
したがって、理想的な音響の演出を実現するには、建築的な音響特性や防音性能、周辺環境への配慮等を総合的に検討し、希望する演出内容が実現できる会場を選ぶことが大切です。
映像
映像演出の成功には、プロジェクターやLEDビジョンなどの機材性能や、会場の電源環境などが大きく影響します。
映像機材は多くの電源容量が必要になるため、既存の壁や床のコンセントでは対応できないケースが多く、200Vなどイベント用の仮設電源が必要になる場合があります。
また、映写室のような客席に影響せずに大規模な映像投影ができる設置場所があるかや、場合によっては天井吊りができる環境であるかも確認が必要です。
仮設でイントレを組むなどの場合、避難動線の確保などの観点から、設置スペースの分、客席数が減ることになります。
さらに配信などを行う場合、安定した有線LANが使えるかどうかも重要です。
なお、当社が運営している施設のうち、渋谷キャスト スペースでは、190インチ相当のLEDビジョンを常設で用意しています。
プロジェクターの設置や登壇者のスクリーンへの映り込みを考慮せずにレイアウトを組めるため、空間を最大限有効活用が可能です。
レンタル料金も期間限定で税抜き10万円と、外部から持ち込むより圧倒的安価でご提供しています。
他にも会場探しのプロフェッショナルが、ご希望の演出プランに最適な会場をご提案いたします。
設備面での課題解決もサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
会場見学も無料でご案内していますので、都内で映像演出込みのイベントを検討中の方は、ぜひお問い合わせください。
話題の最新テクノロジー演出と会場選びの注意点
デジタル技術の進化により、従来は実現できなかった革新的な演出が可能になっています。
しかし、これらの最新技術を効果的に活用するには、会場に特別な条件が求められます。
プロジェクションマッピング
プロジェクションマッピングでは、投影面の状態、会場の明るさ、機材の設置スペースなどの条件を検証する必要があります。
映像投影に適した形状や材質か、暗さは十分に確保できるか、設置位置や投射距離は適切かなどの確認が大切です。
また、屋外のイベントスペースなどでプロジェクションマッピングを実施する場合については、屋外広告物条例など、実施場所の条例に従う必要があるため、実施前に協議や申請が必要になります。
技術的な要件を満たしているのかに加え、実施場所によっては法規制などが無いかなども十分に確認したほうが良いでしょう。
XR(AR・VR・MR)
XR(クロスリアリティ)とは、AR・VR・MRといった技術の総称です。
XRはExtended Reality(拡張現実)、Cross Reality(交差現実)の2つの意味を持ち、現実世界と仮想世界を組み合わせて、新しい体験価値を生み出しています。
AR・VR・MRの基本概念は、以下の通りです。
名称 | 内容 |
---|---|
VR(Virtual Reality:仮想現実) |
|
AR(Augmented Reality:拡張現実) |
|
MR(Mixed Reality:複合現実) |
|
ゲームや教育、医療、ビジネスなど、様々な分野で活用されています。
初音ミクのライブにはじまり、現在は様々なVTuberなどのバーチャルキャラクターが生バンドの演奏とともにライブパフォーマンスを行うなど、リアルとバーチャルの融合したイベントも盛んです。
会場選定に当たっては、ライブ配信に関わるネットワーク環境が整備されているか、LEDディスプレイなどの大型機材用の電源の確保が必要になるでしょう。
また、ライブ演出ではレーザーを使用するケースもあるため、会場ルールとして使用できるかは確認必須です。
ドローン
大量のドローンを飛ばしたイベント演出は、屋内外様々なシーンで広がってきています。
屋外のドローンショーでは日本の電波法により2.4GHz帯の仕様が原則とされていたり、航空法により地上150m以上の高さや空港周辺の空域、人口密集地区での飛行禁止されていたり、様々な規制があります。
一方、屋内でドローンを飛ばす場合、施設内の機器との電波干渉を避ける必要があったり、観客の上空を飛ばしてはいけないなど、施設ごとのルールに準拠した運用となります。
原則としては、安全第一での運用が前提となるため、法的規制だけでなく、厳しいルールを設けている会場が多いです。
施設側の許可は必須となるため、事前に条件などを細かく確認したほうが良いでしょう。
まとめ 理想のライブ演出を実現するなら条件に合う会場選びを!
理想的なライブ演出を実現するには、企画段階での適切な会場選びにあります。
想定される演出効果の洗い出しから、必要な設備・スペースの確認、そして予算配分の検討まで具体的な演出プランの実現可能性を先に検討することが大切です。
会場選定の段階から会場担当者に具体的な相談をしたほうが、希望する演出が可能なのかを素早く判断できます。
当社の運営する会場探しサイト「会場探しコーディネーター」に相談すれば、弊社が運営などに携わっている会場の特性を把握した専任のコーディネーターが、理想のイベントを実現するためのアドバイスや、最適な会場を提案いたします。
特殊効果から最新のテクノロジーまで、様々な演出プランに対応できる会場を豊富な選択肢の中からご提案可能です。
ご相談や会場のご見学は、完全無料となっております。
まずはお気軽にご相談ください。

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会場探しコーディネーターメディア編集部
運営会社:株式会社シアターワークショップ
“劇場・ホールに関することはなんでもやっている”、トータル・シアタープロデュースカンパニー。40年にわたり構想・計画づくり、設計・施工にも携わる劇場づくりのノウハウをもとに、劇場・ホール・イベントスペース運営の専門家集団として、全国20以上の施設管理を支援。年間1,000件以上のイベントを会場管理者の立場からサポート。企業の新商品発表会、展示会、コンサート、セミナー、企業研修など、幅広い用途に対応する会場選定の実績を持つ。
最適な会場探しのノウハウを発信し、イベント主催者や企業担当者の課題解決をサポート している。
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