大阪・関西万博の来場者は、会場だけで1日を過ごしているわけではありません。
最新の来訪データを分析すると、多くの人が“万博ついで”に市内の観光地や商業施設を訪れていることもわかってきました。
とくに大阪(梅田)や天王寺、難波といった交通の結節点となるエリア、さらにはUSJ・大阪城・京セラドームといった人気観光地がその代表格です。
この記事では、実際の併用先ランキングとその理由をデータで紐解きつつ、自施設がどうすれば“その流れ”に乗れるのかを考察します。
この記事では、クロスロケーションズ株式会社が提供する人流データプラットフォーム「Location AI Platform®」(以下、LAP)をもとに、実際の併用先ランキングとその理由をデータで紐解きます。
「どこでイベントを仕掛けるべきか?」を考える方にとって、ヒントになる情報をお届けします。
目次
データから見えた、万博来訪者の併用先ランキング
出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年5月時点)
万博のために大阪を訪れる人々の多くは、「万博だけ」を目的にしているわけではありません。
来訪データの分析によって、多くの来場者が“他の人気エリア”や“観光スポット”を併用して訪れている傾向が人流データからも見られます。
まず、大阪市北区の梅田三丁目(JR大阪駅・大阪梅田駅周辺)は、4月13日~5月6日の分析期間中に最も万博来場者の併用率が高かったエリアです。
JR・私鉄・地下鉄を含めて9路線が集結する巨大ターミナル駅であり、多くの人がここを経由して夢洲会場へアクセスしていると考えられます。
また、同様に天王寺(阿倍野区)や難波(中央区)といった、複数路線が乗り入れる主要駅周辺も併用率が高く、観光・食事・ショッピングといった“万博前後の過ごし方”として活用されているのではないかと推察されます。
他にも、伊丹空港は分析対象エリアの中で2番目に高い併用率を記録。
関西国際空港も13位にランクインするなど、空港から直接万博会場へ向かう人も多く、“空路×万博”のセット来訪が一定数存在することがわかります。
さらに目を引くのが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や京セラドーム大阪、大阪城公園、万博記念公園といった大阪を代表する観光・レジャースポットとの併用率の高さです。
こうしたデータは、来訪者が「ついで需要」で他施設にも立ち寄る可能性が高いことを示しており、イベント主催者や商業施設にとっては大きなチャンスとなります。
万博来場者の多くが「ついで観光」に意欲的である今、自施設やイベントをどう“選ばれる導線”に組み込むかが重要です。
万博×観光の動線に注目!ターミナル駅&空港の併用率
空港や主要駅などを経由してアクセスする「移動ルート」からは、万博を中心とした来訪行動の傾向が見えてきます。
▼関西国際空港
出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年5月時点)
▼伊丹空港
出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年5月時点)
▼新大阪駅
出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年5月時点)
分析対象は、関西国際空港・伊丹空港・新大阪駅の3拠点。
それぞれの来訪数を日別に見ると、5月3日(連休後半の初日)と5月6日(連休最終日)にピークが集中しています。
これは、「行き」と「帰り」の移動がゴールデンウィーク後半に集中的に発生していたと考えられます。
一方、5月4日には来訪数が一時的に落ち込んでおり、旅行の中日で移動が少なかったこともうかがえます。
つまり、万博来場者の多くは「一泊以上の旅行」として大阪を訪れ、空路や新幹線を使った広域移動を前提としたプランを立てていると予想されます。
また、これらの移動データからは、万博を目的としつつも他の観光地や商業施設と組み合わせて訪れるニーズが広がっていることも推察されます。
これは関西圏に限らず、全国からの集客を狙う上でも非常に重要な視点です。
とくに、新大阪駅や空港は複数施設への中継地点となっており、戦略的なプロモーションが可能な場所でもあります。
来訪者の移動ルートを把握することで、“どこで接点をつくるか”という戦略が見えてくるでしょう。
万博動向から読み解く|アクセス・立地・コンセプトを活かした集客の可能性
これらのデータから読み取れるのは、万博来場者は「万博+大阪観光」をセットにして動く傾向が強いということです。
そして、その動線の中には「梅田」「天王寺」「難波」といったターミナル駅周辺が多く含まれていました。
これらのターミナル駅を中心に、近隣のエリアに観光やイベントに訪れたい人も多いでしょう。
例えば扇町は、梅田から地下鉄谷町線でわずか2駅というアクセスの良さを誇りながら、喧騒から少し離れた落ち着きあるエリアです。
JR天満駅や大阪メトロ堺筋線 南森町駅からも徒歩圏内で、複数路線によるアクセスが可能です。
つまり、万博を訪れた観光客が「どこかもう一つ立ち寄りたい」と考えたときに、十分に行動圏内にあるポジションにあります。
USJや大阪城といったメジャー施設に比べ、扇町エリアは感度の高い層や落ち着いた体験を求める来訪者にフィットします。
特に、アート・演劇・知的好奇心を満たすような文化系コンテンツを扱う施設との相性が良く、“知る人ぞ知る大阪の魅力”を体験できる場として訴求することが可能です。
今後、夏のお盆や3連休などで再び来場者数が増えることが予想される中、「万博を起点とした2次消費・2次訪問」をいかに自施設に引き込むかが問われます。
扇町エリアは、地の利・施設特性・周辺の文化的資産を活かせば、確実にその波に乗れるポテンシャルを持っている場所です。
万博の“人流”を活かして、次の一手を打とう
大阪・関西万博は、会場の中だけで完結するイベントではありません。
その実態はむしろ、市内各地の観光・商業施設を巻き込んだ「都市回遊型」の巨大体験になりつつあります。
梅田・天王寺・難波をはじめとする交通結節点、さらにはUSJや大阪城といった観光地は、すでに多くの来訪者を“併用訪問先”として取り込んでいます。
この動きを「遠くの話」として捉えるか、それとも「自分たちの顧客導線の延長」として活用するかは、今後の成果を大きく分けるポイントです。
今まさに、数百万規模の来場者が大阪を訪れ、回遊し、消費しています。
その人たちにどう接点をつくるか、どんな体験を提供するかは、すべて仕掛ける側の工夫次第です。
万博来場者の流れを、自施設のチャンスに変えませんか?

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会場探しコーディネーターメディア編集部
運営会社:株式会社シアターワークショップ
“劇場・ホールに関することはなんでもやっている”、トータル・シアタープロデュースカンパニー。40年にわたり構想・計画づくり、設計・施工にも携わる劇場づくりのノウハウをもとに、劇場・ホール・イベントスペース運営の専門家集団として、全国20以上の施設管理を支援。年間1,000件以上のイベントを会場管理者の立場からサポート。企業の新商品発表会、展示会、コンサート、セミナー、企業研修など、幅広い用途に対応する会場選定の実績を持つ。
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