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【Vol.2】大阪万博×人気施設の滞在データ分析|大阪城・USJ・海遊館の人流はどう動いた?

作成者: 会場探しコーディネーターメディア編集部|Apr 30, 2025 8:56:07 AM

2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博
開幕から1週間で累計60万人以上が来場し、今まさに大阪は「イベント都市」としての存在感を高めています

大阪万博ってどんな感じ?」「大阪万博には何があるの?」といった声も多く聞かれますが、実際の会場内だけでなく、その周辺エリアでも多くの人が行き交い、活気を見せているのが現状です。

本記事では、クロスロケーションズ株式会社が提供する人流データプラットフォーム「Location AI Platform®」(以下、LAP)をもとに、万博以外の主要スポット(京セラドーム・大阪城ホール・USJ・海遊館など)での“5分以上の滞在者”データを分析しています。

「万博に行く人たちは、他にどこへ立ち寄っている可能性があるのか?」「大阪のどのエリアに人が集まっているのか?」などを可視化し、イベント企画や集客施策に活かせるヒントを探っていきます。

開幕初週(4/13~4/19)は初日の14万人超えが最もピークで、その後平日は減少し、週末に向けて回復していく傾向でした。

同様の動きになるかと想像していましたが、2週目(4/20~4/26)は全体的に9万人から12万人台と、上昇傾向の結果となっています

大阪万博の開幕から2週間の来場者数

出典:大阪万博2025公式サイト|来場者数と入場チケット販売数について

 

LAPの人流データ上でも似たような動きのデータが得られており、徐々に安定した集客につながっていると考えられます。

大阪万博開幕2週間のLAP上の人流データ

出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年4月時点)

 

なお、入場者数には出展関係者も含まれていますが、一般来場者数も大きなボリュームを占めています。

「大阪万博ってどんな感じ?」「なにがあるの?」といった声やWeb上で検索する動きもみられていることから、開幕から少しずつ注目度が高まっているともいえるのではないでしょうか。

 

開幕1週間の詳しい動向についての詳細は「【Vol.1】万博開幕で大阪が“最強のイベント都市”に!?開幕1週間の動きを分析」をご覧ください。

 

 

大阪万博の開催にともない、他の施設の来場者数に影響はあるのでしょうか?

本章では、万博開催からの大阪の主要なレジャースポットの人流データを紐解いていきます。

 

京セラドーム大阪の人流データ

出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年4月時点)

 

京セラドーム大阪では、ライブコンサートや野球の試合が4月中に開催されており、イベントのタイミングで来訪者が大きく増加する傾向が見られています。

万博スタート前後の4/11〜13のファーム公式戦の際は、他のイベント開催時に比べ来場者が少なくなっていますが、天候の影響により来場を控えた人もいたものと予想されます。

翌週末4/15~20の期間では特に週末に多くの来場が記録されており、特にオリックスvs日本ハム戦の4/18~20の3日間は2万人超が訪れていました。

他にも野球以外に、K-POPグループのSEVENTEENのファンミーティングも開催されており、幅広いファン層が来場していたとみられます。

各日程の来場者数は基本的にイベント内容によって大きく異なり、天候によっても来場数が変動することもデータとしてわかりました。

 

大阪城ホールの人流データ

出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年4月時点)

 

4月の大阪城ホールでは、大学の入学式の他、西野カナやNovelbright、玉置浩二、竹内まりやなど人気アーティストの音楽ライブが多く開催されています。

京セラドームと同様に、イベントの開催に応じて来訪者が増加する傾向が見られます。

来訪人数についてはアーティストの人気度合いや、実際のレイアウトによる券売状況にもよりますが、1万人以上の動員を記録している日程も見られました。

目当てのライブコンサートがあり大阪城ホールを訪れる人が、大阪城周辺の観光も含め、前後の日程を使って大阪万博に訪れる可能性はあるでしょう

 

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの人流データ

出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年4月時点)


大阪の大人気テーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、平日と土日での増減はありつつも、常時1万人以上の来場が記録されています。

春休み明けの4月初週以降はやや落ち着き、大阪万博の開幕時の13日には週末にもかかわらず2万人を割っています。

この動きからは万博への注目が一時的に人流を奪った可能性を示唆していますが、春休み明け最初の週末でもあるため、時期的な要因も考えられます。

一般的に春休み明けからGWまでは観光地の閑散期となることが多いと考えると、一概に万博による影響とは言いにくいです。

むしろ、翌週の週末19日には再び2万5千人を記録しており、大阪万博目当ての来訪者による動員増加もあり得ます。

「USJ→万博」または「万博→USJ」の組み合わせ訪問も十分に考えられるでしょう。

 

海遊館の人流データ

出典:クロスロケーションズ株式会社「Location AI Platform®」よりデータ取得(2025年4月時点)

世界最大級の水族館である海遊館でも、週末に来場者が集中している傾向が見られます。

水族館はファミリー観光の定番であり、かつ2時間前後で回れるため、1日の間に大阪万博との併用利用を検討される方も一定数いるのではないでしょうか。

今年の7月に35周年を迎えることもあり、“子ども連れレジャー”の選択肢として、万博との相乗効果でゴールデンウィークや夏休みも動員数増加が見込まれます。

 

上記で見てきたように、万博の開催により大阪の主要な観光施設の集客には、ポジティブな相乗効果をもたらしている可能性が高いことがデータ上からもうかがえます。

現在のデータからも、大阪市内の主要観光地の来場者数は著しく落ち込んでいるような傾向は見られず、むしろ安定もしくは上昇傾向です
つまり、県外から複数日滞在する観光客が「万博に来たことをきっかけに他の観光地も巡りたい」といった層が、「万博+USJ」「万博+海遊館」などを併用して回遊している可能性が高いと推測されます。

今後データの蓄積により、併用率などのデータが見られるようになれば、その傾向も改めて分析していく予定です。

来訪者の動向がつかめれば、近隣エリアでのイベント開催などのプロモーションにも役立てられるでしょう。

 

大阪万博は、単なる一極集中のイベントではなく、大阪全体の人流を活性化させる「集客装置」として機能し始めています。

開幕から2週間のデータが示すように、万博自体の入場者数は初週の変動を経て、2週目には9万人〜12万人台という安定した数字を維持するようになりました。

さらに注目すべきは、京セラドーム大阪、大阪城ホール、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、海遊館といった大阪の主要観光施設が万博開幕後も例年通りかそれ以上の賑わいを見せていることです。

つまり、万博単体での集客力はもちろんのこと、万博をきっかけに大阪を訪れた人々が市内の様々な観光スポットも訪れるという、波及効果を生み出していると考えられます。

今後ゴールデンウィークを迎えてさらなる来場者増加が見込まれるとともに、宿泊施設の稼働率や地域間の人流データなどを分析することで、より立体的な集客戦略も検討できるようになるでしょう。

また、万博会場内のパビリオンやアトラクションの運営も安定してきたことで、来場者の満足度が高まり、リピーターやSNSでの口コミによる二次的な集客効果も期待されます。

このように、大阪万博は単独のイベントとしてだけでなく、大阪全体の観光エコシステムの中核として機能し始めており、半年間続くイベントとしての持続可能な集客モデルが確立される可能性も見込まれます。

引き続き万博を中心とした大阪の人流動向に注目し、観光産業全体への波及効果を継続的に分析していきますので、ぜひ今後も動向をチェックしてください。